読書記録 Jacobs, Smith and Street "Measuring Efficiency in Health Care"

表題の本を読むことにしたので、学んだことを少しづつ残していこうと思います。

Measuring Efficiency in Health Care: Analytic Techniques and Health Policy by Rowena Jacobs Peter C. Smith Andrew Street(2006-06-19)

この本はタイトル通り、医療分野における効率性測定の教科書として書かれているのですが、大部分が分野を限定しない効率性測定の手法の解説になっており、実例紹介などで医療の文献が参照されていたり、医療分野特有の注意事項が補足的に触れられているという印象です。

概要

効率性測定においてメジャなー2つの手法：Data Envelopment Analysis (DEA)とStochastic Frontier Analysis (SFA) 、について、理論について触れたうえで医療分野における利用例・注意事項等について詳しく解説しています。また、2手法の比較や課題点、代替的な分析手法についても解説を加えた本です。

章構成

以下のような構成で書かれています。

1. Efficiency in Health Care
2. The Components of an Efficiency Model
3. Stochastic Frontier Analysis of Cross-Sectional Data
4. Stochastic Frontier Analysis of Panel Data
5. Data Envelopment Analysis
6. The Malmquist Index
7. A Comparison of SFA and DEA
8. Unresolved Issues and Challenges in Efficiency Measurement
9. Some Alternative Approaches to Measuring Performance
10. Conclusions

（引用：Jacobs, Smith and Street (2006) ）

大まかにいえば、

• 第1・2章：効率性測定のニーズ等の背景に触れたうえで、考え方の基礎・医療分野における投入・産出の概念などを解説し、分析手法の理論に入る前の準備を行う
• 第3・4章：Parametricな手法である確率的フロンティア分析（SFA）の手法について、クロスセクションデータ・パネルデータそれぞれについて解説する
• 第5・6章：Non-Parametricな手法である包絡分析法（DEA）の手法について解説
• 第7章：SFA・DEAの比較
• 第8章：執筆時点で克服されていない効率性測定の課題を開設
• 第9章：SFA・DEA以外に利用できそうな分析手法（マルチレベルモデル・Seemingly Unrelated Regressionなど）

という構成になっています。

メインとしては一般的な効率性測定手法であるDEAとSFAの解説となっています。
読み進めつつ、詳細な内容を追記していこうと思っています。

参考

Jacobs, Rowena, Peter C.Smith, and Andrew Street (2006), Measuring Efficiency in Health Care: Analytic Techniques and Health Policy, Cambridge, UK: Cambridge University Press.