統計検定準1級・1級攻略 2級と何が違うのか?
統計検定準1級・1級に向けた勉強を始めました。
が、2級からのギャップが激しいなと感じたので、まとめてみます。
友人「準1級、急に難しくない?」
私「わかる」
ということで、体感的に、急に難しくなっている気がするんですよね。
なんとな~くで解けていた問題群がごっそりと消え、1mmもわからん問題群が大量に生えてきたイメージ。
ということで、ちゃんと「新しく何を勉強しないといけないのか」に真剣に向き合ってみようと思いたちました。
出題範囲表を確認
2級・準1級・1級の出題範囲表は、統計検定HPに公開されています。
www.toukei-kentei.jp
www.toukei-kentei.jp
www.toukei-kentei.jp
これを横並びで比較して、何が増えた・深まった・逆に削られたのかを確認します。
出題範囲比較
比較表は以下の通り。
それぞれの出題範囲で、小項目を列挙しつつ、だいたい対応してそうかな…と思われる項目は横並びにしています。(大項目ベースの横並びを原則にしていますが、各級で完全に一致するわけでもないので、そこは雰囲気で大項目を名付けています)
| 大項目 | 2級 | 準1級 | 1級(数理+応用共通*1) |
|---|---|---|---|
| データソース | 身近な統計 | ||
| データの分布 | データの分布の記述 | ||
| 1変数データ | 中心傾向の指標/散らばりなどの指標/中心と散らばりの活用 | ||
| 2変数以上のデータ | 散布図と相関/カテゴリカルデータ | ||
| データの活用 | 単回帰と予測/時系列データの処理 | ||
| データ収集法 | 観察研究と実験研究/標本調査と無作為抽出/実験/実験計画の概念の理解 | 標本調査法/分散分析と実験計画法 | 研究の種類/標本調査法/分散分析/実験計画法 |
| 確率と確率変数 | 確率/確率変数 | 事象と確率/確率分布と母関数/分布の特性値/変数変換/極限定理,漸近理論 | 事象と確率/確率分布と母関数/分布の特性値/変数変換/極限定理と確率分布の近似 |
| 種々の確率分布 | 確率分布/標本分布 | 離散型分布/連続型分布/標本分布 | 離散型分布/連続型分布/標本分布 |
| 統計的推測(推定) | 推定 | 統計量/各種推定法/点推定の性質/漸近的性質/区間推定/モデル選択 | 母集団と標本・統計量/尤度と最尤推定/各種推定法/点推定量の性質/モデル評価基準/漸近的性質など/区間推定 |
| 統計的推測(検定) | 仮説検定 | 検定の基礎/検定法の導出/正規分布に関する検定/一般の分布に関する検定法/ノンパラメトリック法 | 検定の基礎/検定法の導出/正規分布に関する検定/種々の検定法/ノンパラメトリック法 |
| マルコフ連鎖と確率過程 | マルコフ連鎖/確率過程の基礎 | 各種多変量解析法 | |
| 回帰分析 | 回帰分析 | 重回帰分析/回帰診断法/質的回帰/その他 | 回帰分析/重回帰分析/各種多変量解析法 |
| 様々な多変量解析手法 | 主成分分析/判別分析/クラスター分析/共分散構造分析と因子分析/その他の多変量解析手法 | 各種多変量解析法 | |
| 時系列解析 | 時系列解析 | 各種多変量解析法 | |
| 分割表 | 分割表の解析/分割表のモデル | 分割表の解析 | |
| 不完全データ・欠測 | 欠測値 | 不完全データ | |
| ベイズ法 | ベイズ法 | ベイズ法 | |
| シミュレーション | シミュレーション,計算多用手法 | シミュレーション |
差分に関する印象
大まかに、以下のような変化がありそうです。
- 2級→準1級で、記述統計に関する出題項目がごっそり消える。範囲は数理統計に完全にフォーカスされる。
- 2級と準1級以上の共通部分は、数理統計の基礎と実験計画法・標本調査のさわり部分。準1級・1級に入ることで、範囲が大幅に広く、深くなる。
- さらに、応用的な多変量解析手法がさまざま新たに出題される。
大部分が追加の範囲であり、もはや別の試験と思った方がよさそう。。
他の試験区分を準1級&1級対策に活用できないか
2級の範囲の再強化は役に立つか?
前述の通り、2級と被っているのは以下の範囲です。
- 数理統計の基本になる確率・確率変数・確率分布と推定・検定・回帰分析の理論: 数理統計の基本部分はとても役に立つので、2級の当該範囲をカチカチに完ぺきにするのは有用だと思われます。とはいえ、それでも準1級or1級の数理統計学の範囲の入り口に過ぎないので、まずは数理統計を体系的に勉強しつつ、適宜戻ってくるのがよさそう。
- 実験計画法・標本調査法のさわり: 2級ではあくまで概念の理解が求められますが、準1級以降では数理的な背景の理解を深める必要があります。2級範囲では上位級で求められる知識を十分に補完できないものの、概念がわかっていないと取っ付きすらできないので、復習しておいてもよいかもしれません
ということで、2級との重複範囲は簡単に復習しつつ、ある程度理解できたor問題がスムーズに解けるようになったら上位級の勉強を始めるのがよさそう。
他の級体系(調査士系・DS系)はどうか?
統計検定は他の資格系も設定されていて、各種の上位資格は一部オーバーラップするところが多そうです。
専門統計調査士
統計調査の企画・管理・利用に関する知識・能力を評価する「統計調査士」「専門統計調査士」のうち、上位資格にあたるものです。
www.toukei-kentei.jp
試験内容としては以下の記載がされており、2級~準1級に共通する標本調査法の知識が問われます。
専門統計調査士は数年前に取得しましたが、個人的な実感としては、準1級で求められる知見が強化されるかというと…微妙かもしれません。
統計検定2級合格程度の専門知識に加えて、社会・経済で広く利用される統計や各種の調査データの作成過程、および利用上の留意点などに関する総合的な知識水準を評価します。
調査の企画・運営
調査の実施と指導
調査データの利活用の手法
どちらかというと、調査企画運営・様々な調査手法の実施等に関する注意点など、実務的な知識を身につけたい人向けの試験という印象です。数理的な掘り下げを求められる準1級以降とは少し違う切り口に感じます。
とはいえ、専門統計調査士で問われるレベルの標本抽出法の計算ができると、準1級レベルの標本調査法で追加される内容も簡単に感じました。
データサイエンス発展・エキスパート
「データサイエンスに関する能力を評価する」資格級です。表現がざっくりとしている。。
発展は大学教養レベル、エキスパートは大学専門レベルの知見が求められます。数理的な知識、古典的な推測統計の知見が主に求められる準1級・1級と異なり、探索的な技術や実装論なども問われるようです。また、基礎となる数学も理解している必要ありとのこと(ここは数理統計を通れば十分な力がつくと思いますが)
データサイエンスエキスパートは、ある程度準1級とのオーバーラップも期待できそうです。とくに種々の多変量解析手法については、どちらの級でも問われるので、知見を広げる意味でも双方を除きに行って損はないように思います。2級までの知識への上積みが求められるので、趣旨は準1級等と近いものがありそう。
並行して勉強しておくのもよいかもしれないなと思いました。
まとめ
2級レベルまでの知見を持っていても、それだけでは準1級へのステップアップのハードルはかなり高い印象でした。
①2級レベルの数理統計はモノにしておく ②専門統計調査士の数理部分を勉強しておく(もちろん、業務上のかかわりが近いなら受けてみてもよい) ③データサイエンスエキスパートの範囲にも目をやりながら勉強を進めてみる あたりが攻略の糸口になるでしょうか。
私は①②をいったん固められた気がしてきたので、③を窺いつつ準1級の勉強にトライしてみます。
まずは数理統計を本腰入れて勉強しないと。。。
*1:統計応用は4分野から1つ選択式になっていますが、どの分野にも共通する出題範囲というのが明示されているので、そこだけを対象に含めています。