HTA (医療技術評価) の本まとめ
色々な機会があって少しだけHTAについて学ぶ機会があり、いろいろな本の情報を得たので、諸方面からの情報をまとめておきます。
HTA関連本のカテゴライズ
色々な本があるのですが、大きく分けると「動向」「実務」の2つに分けられるような気がします*1。
要は、昨今のHTAに関する政策の傾向や利用される文脈についての理解と、実際にどのようなことが行われるのかの解説といったところです。当然両方の理解が欲しいところですが、
- なんだか最近話題のHTAってなんだ?レベルのことが知りたい人→両カテゴリの概論レベルの本
- 政策応用を深く知りたい人→加えてHTAの実際の計算についても概論レベルを把握
- 実務を詳しく知りたい・できるようになりたい人→加えて政策や利用される文脈についての概略を把握
が良いのかなあと感じました。どちらにしても片手落ちだと後々大変そうな印象です。
読むと良さそうな本の例
政策等動向
概論というほど網羅的かどうかはわかりませんが、以下の本は良書だと思います。
HTAそのものの解説は第3章にまとまっていますが、全体を通して医療経済におけるエビデンス全般に触れており、その中でのHTAの位置づけの整理という意味でも読む意義を感じました。価格・文体双方の読みやすさもあります。
政策周りに特化した本としては以下の本もあるようです。
実務
HTAのキモは増分費用効果比(Incremental Cost-Effectiveness Ratio: ICER)を算出するところで、その過程のテクニカルな部分をマスターした人が実務についているのだろうと想像しています。「HTAはICERを算出する学問だ」とまで仰る方もいるくらいです。
算出にあたってのステップを演習付きで概説している本として、以下の2冊はレベルが高すぎず良さそうでした*2。
専門でHTAを、ということであれば教科書は以下のものがあるそうです。和訳はかなり古い*3。
Methods for the Economic Evaluation of Health Care Programmes (Oxford Medical Publications)
- 作者:Michael F. Drummond,Mark J. Sculpher,Karl Claxton,Greg L. Stoddart,George W. Torrance
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
- 発売日: 2015/11/24
- メディア: ペーパーバック